【災害時の停電対策に】家庭用蓄電池と太陽光発電システムがあれば災害時にも電気が使える!
はじめに
2016年4月に発生した熊本地震から、早いものでもう6年になろうとしています。被災時に感じた恐怖や不安が今でも忘れられない、という方も多いかと思います。
私たちが身をもって経験した通り、地震や台風などの自然災害はいつ起きるかわかりません。むしろ、いつ起きてもおかしくない、というのが正解なのかもしれません。
地震や台風などの災害時に、私たちに直接的に起こる問題が「インフラの機能停止」です。特に停電や断水などによりライフラインがストップしてしまうと、日常の生活を保つことは困難です。実際に大きな自然災害が発生した際に、長期間大規模な停電や断水が起こった事例も多くあります。
水道やガスももちろん重要ですが、ライフラインとしてストップすると一番困るのは「電気」ではないでしょうか。災害により停電が発生すると、照明が使えず夜は真っ暗になってしまいます。また冷蔵庫での食料の保存、IHクッキングヒーター・炊飯器などを使った調理もできません。
テレビやインターネット回線・Wi-Fiも使えなくなります。スマートフォンも充電できなくなり、バッテリーが切れてしまったら、安否の確認や避難場所の情報収集なども出来なくなります。
停電により普段使えていた様々な電気機器が使えなくなり、生活行動が大きく制限されてしまいます。東日本大地震以降はそんな災害時の停電への対策として、家庭用の蓄電池や太陽光発電システムを自宅に導入する家庭が増えています。
今回は、なぜ家庭用蓄電池と太陽光発電システムが災害時の停電対策として有効であるのか、そのメリットを詳しく解説します。
停電が発生すると日常生活に多くの問題が発生する
私たちは多くの電化製品や電子機器をつかって毎日生活しています。災害によりひとたび電気がストップすると、さまざまな問題が発生します。一例を挙げてみましょう。
1:冷蔵庫の運転が止まり、中の食品を廃棄しなければならなくなる。
2:夜間に照明が使えず真っ暗になるので、不安や恐怖に襲われる。
3:エアコン・扇風機・暖房器具などが使えず、体調面の被害を引き起こす。
4:IHクッキングヒーター・電子レンジで調理ができず、炊飯器でお米も炊けない。
5:洗濯機が使えないので、衣服を洗えない。
6:テレビが観られないので、避難場所や、配給などの情報が手に入らない。
7:スマートフォン・携帯電話の充電が切れれば、安否確認や情報収集が困難になる。
ちょっと考えただけでもこれだけの問題があります。電気がストップするということは現代の生活においては致命的である、ともいえます。運よく数時間程度の停電であれば耐えられるかもしれませんが、停電は長期間に及ぶこともあり、長ければ1週間以上も不自由な生活を強いられることになります。
停電の復旧まで自分達の生活を守るための対策を
大規模な災害時には、電気や水道などのインフラが復旧するまでに時間がかかることもあります。特に道路が寸断されたり、電力会社や自治体の役所に災害の被害が発生している場合などは復旧に時間がかかる可能性が高くなります。
また、停電により冷暖房機器が使えず、子ども・高齢者・持病のある家族に健康被害が発生したとしても、災害時には救急車がすぐに来るとは限りません。病院に到着しても、災害により怪我人や病人が多い場合、診断・治療を待たされる可能性もあります。また、電力不足により必要な治療自体が受けられない可能性すらあります。
今後発生が予測されている南海トラフ地震のような、まさに桁外れの規模の自然災害が起きた場合、自治体、電力会社などの復旧対応の遅れはおそらく今まで以上に顕著になることも考えられます。
つまり、災害時にインフラがストップした場合、その復旧まで自分と家族の生活は自分たちで守る必要があり、そのための対策を高じておく必要があるということです。
そして、地震・台風などの災害による停電対策として役に立つのが、家庭用蓄電池と太陽光発電システムです。次項より、家庭用蓄電池と太陽光発電システムによるメリットとデメリットを具体的に紹介します。
停電時における家庭用蓄電池のメリット
家庭用蓄電池のメリットは『停電時に時間帯を問わず、家に電力を供給できる』ことです。
冷蔵庫が使えますので、中の食品を廃棄するリスクを避けることができ、炊飯器でお米を炊いたり、IHクッキングヒーターで調理もできます。暖かい食事が取れる、というのは何よりホッとできることではないでしょうか。
また、テレビが観られますので、リアルタイムに情報収集もできますし、スマートフォンやノートパソコンの充電も行えますので、安否確認や緊急連絡が必要な時にも安心です。
消費電力の大きいエアコンなどは蓄電池のタイプや容量によっては利用できないこともありますが、扇風機などは使えるので猛暑の季節は暑さを和らげることができるでしょうし、冬場でも電気カーペットなどでしたら消費電力が少ないので、暖を取ることができます。
停電対策のための家庭用蓄電池には「全負荷型」を選ぼう
家庭用蓄電池は、停電時にお家に電気を供給する方法が異なる「特定負荷型」と「全負荷型」の2つのタイプがあります。特定負荷型は停電時に「指定した1つの部屋のみ」電力が使えるようになります。対して全負荷型は停電時に「お家全体に電力を供給」することができます。
また、特定負荷型はIHクッキングヒーターやエアコンのような200V電源の家電製品を使うことができませんが、全負荷型は200V電源の家電製品を使うことができます。
特定負荷型の方がコストが安いなどのメリットもありますが、停電時に平常時と同じような暮らしができた方がいい、と考えるならば、家庭用蓄電池は全負荷型にする方をお勧めします。
停電時における家庭用蓄電池の注意点
停電時に家庭用蓄電池を使用する上での注意点は「電力が使えるのは蓄電池に溜めておいた電力分だけ」であることです。蓄電池の容量にもよりますが、停電が発生した当日の間は蓄電池の電力で家電製品を使うことができたとしても、停電の期間が数日間となった場合には、蓄電池に溜めた電力も底をつく可能性があります。
家庭用蓄電池単体での利用の場合は、電力会社からの電気を利用して蓄電を行わないといけないため、再び電力を溜めることができるようになるのは停電の復旧後、ということになります。
そこで鍵を握るのが太陽光発電システム。太陽光発電システムが一緒に導入されていれば、停電時でも蓄電池に電気を貯め続けることができるため、たとえ1週間停電が続いたとしても安心して暮らすことができます。
太陽光発電だけでは日中の発電している間だけしか電気を使うことはできませんが、蓄電池を一緒に導入することで夜間も貯めた電気を使い続けることができるため、一緒に導入されることをおすすめしています。
停電時における太陽光発電システムのメリット
停電時における太陽光発電システムのメリットは停電していても太陽光で電気を生産・消費できる点です。家庭用蓄電池はあらかじめ溜めた電気を消費していきますが、太陽光発電システムは電気そのものを作れるのが最大のメリットといえます。
停電で電力会社からの送電がストップした場合、太陽光発電システムを「自立運転モード」に切り替えることで、発電した電気をそのまま家庭で使うことができます。
電気自体を作りながら消費することができるので、停電が数日~長期間と続いた時でも、晴れている日の昼間なら、電化製品を使い続けることができます。
停電が長引く可能性の高い大規模災害時などは、自宅に太陽光発電システムがあるかないかで生活の質が左右されることになるでしょう。
停電時における太陽光発電システムの注意点
停電時に太陽光発電システムを利用するにあたっての注意点はまず「夜間は発電できない」「電力を溜めることはできない」点です。昼間には家電製品が使えても、日光のない夜間は発電ができず、家電製品は使うことができません。つまり停電時と同じ状態になる、ということです。
また太陽光発電システム単体には蓄電の機能はないため、「昼間に電力を溜めて夜使う」ような使い方はできません。また、発電量が天候により大きく左右される点も注意が必要です。
晴天時は問題ありませんが、雨・曇りになると発電量が数分の1程度まで低下してしまうことがあります。太陽に雲がかかるだけでも発電量は変動してしまいます。 一番厄介なのは雪で、ソーラーパネルの上に雪が厚く積もってしまうと、発電自体ができなくなります。この場合は、ソーラーパネルの雪下ろしの作業をしなくてはなりません。
家庭用蓄電池と太陽光発電システム、それぞれ「単体」では停電対策としては十分ではない
家庭用蓄電池と太陽光発電システムそれぞれのメリットとデメリットについて触れました。
端的に説明すると、家庭用蓄電池は「溜めた電力を使えるようになるが、電力を作ることはできない」し、太陽光発電システムは「電力を作ることはできるが、溜めることはできない」ということになります。それぞれ単体での利用の場合には弱点があるため、地震や台風などの災害時を想定すると「停電対策としては十分ではない」と考えたほうが良いかもしれません。
そこで私たちがお勧めしたいのは「家庭用蓄電池と太陽光発電システムをセットで使う」方法です。
家庭用蓄電池と太陽光発電システムをセットで使えば、お互いの弱点をカバーできる
では、なぜ家庭用蓄電池と太陽光発電システムをセットで使うのがおすすめなのかを説明したいと思います。その理由は明確です。「家庭用蓄電池と太陽光発電システムをセットで使うことで、お互いの弱点をカバーできるため」です。この点について詳しく触れていきます。
ポイント1:太陽光発電システムがあれば、蓄電池に随時電気を供給できる
家庭用蓄電池の最大の弱点は、「あらかじめ溜めておいた電力を使っていくので、停電が長引けばいずれ電力を使い切ってしまう」点です。では、家庭用蓄電池と太陽光発電システムがセットで導入されるとどうなるでしょうか?
太陽光発電システムにより、晴天の昼間には電気を自給しつつ、蓄電池に余剰分を充電できるようになります。つまり蓄電池の使用時間を大幅に伸ばすことが可能になります。
万が一、太陽光発電システムで蓄電しても蓄電容量が足りず、蓄電池の電気を使い切ってしまったとしても、次の日のになれば日中に発電して蓄電することができます。
蓄電池に溜めた電力を「使うだけ」ではなく「溜めながら使う」ことで停電が長期化しても、生活の快適さや質を保ちやすくなります。
ポイント2:夜間や天候が悪い時間帯にも、蓄電池に貯めた電気を使用できる
太陽光発電システムの弱点は「夜間に発電できず、雨・曇りなど天候が悪くなれば発電量が減少してしまう」点でした。ところが、家庭用蓄電池を設置していれば、昼間に発電した電気を溜めておけるようになりますので、発電のできない夜間に照明も使えますし、冷蔵庫も一日中運転させておくことも可能です。太陽光発電システム単体ではできなかった夜間の家電製品の使用ができるようになる点は大きなメリットと言えるでしょう。
上記のように、蓄電池と太陽光発電システムをセットで使うことで、停電時における生活が格段に安心で快適なものになります。
家庭用蓄電池と太陽光発電システムとセット導入は平常時にもメリットが
家庭用蓄電池と太陽光発電システムのセット導入は非常時への備えの面だけでなく、経済的な面でも様々なメリットがあります。詳しくは家庭用蓄電池と太陽光発電システムそれぞれのメリットについて解説した記事がありますので、そちらもご一読ください。
光熱費削減のプロが解説!太陽光発電の仕組みと大きなメリットについて
光熱費削減のプロが詳しく解説!今注目の「家庭用蓄電池」の特徴やメリットについて
今回のまとめ
いかがでしたでしょうか。今回は災害時の停電対策として家庭用蓄電池と太陽光発電システムがいかに役に立ち、メリットがあるのかについて解説してきました。
地震・台風・豪雨など、自然災害はいつ起こるかわからないものです。できることであれば、非常時においても日常と変わらないような暮らしが送れる、これは全ての人々にとっての理想であると思います。災害に対する備えとして「食品や日常品の備蓄」「避難経路の確保」「地域との連携」など私たちが取り組むべきことはたくさんあります。その中に「生活を維持する仕組み」として、家庭用蓄電池と太陽光発電システムの導入をご家族で検討されてみてはいかがでしょうか?
ポイントとして、家庭用蓄電池には1つの部屋のみ電力が供給でき、またIHやエアコンなどの200V電源機器が使えない「単機能型」と、お家全体に電力が電源機器も使用できる「全負荷型」の2つのタイプがありますので、ご家庭に合った蓄電池のタイプをよく考え、導入するようにした方が良いでしょう。
私たちが株式会社エコワークでは、家庭用蓄電池や太陽光発電システム、オール電化などを通じて、お客様の「より快適な暮らし」「より安心な暮らし」を実現するためのお手伝いをさせていただいております。
災害時に備えとして家庭用蓄電池・太陽光発電システムに関心のある方はもちろん、他にも「毎月の電気代を安くしたい!」「もっと家の暮らしを快適にするには?」など、電気や暮らしに関する悩み、疑問がありましたら、私たち株式会社エコワークに是非一度ご相談ください。